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3月
25

向精神薬とホルモンバランス

Posted under 向精神薬とホルモンバランス

 PMSやPMDDの精神的な症状の改善に、しばしば向精神薬が使われます。しかし、それらの中には副作用としてホルモンバランスが崩れるものがあるので、要注意です。

 ・スルピリド
商品名:ドグマチール、アビリット、ミラドール、アメル、ベタマックなど
1960年代に開発された、少量服用で胃薬、多量服用なら抗うつ薬として作用する薬です。食欲不振を訴えると処方される場合があるようです。また、他の向精神薬に比べると依存性や薬を飲みやめた際の離脱症状の例が少ないことから、お医者さんにとって使いやすい薬だとされることもあるそうです。

 ・アモキサピン
商品名:アモキサン
所謂三環系抗うつ薬と呼ばれる薬の中で最も新しく、副作用も少ないと言われるものです。

これらの薬を服用すると、神経伝達物質であるドーパミンの受容が抑えられます。それによってノルアドレナリン(脳の活動をよくして、気持ちが前向きになるのを助ける働きがあります)の分泌を促し、うつを改善するという仕組みになっています。
さて、ここからが問題です。ドーパミンは女性ホルモンの一種であるプロラクチンの分泌を抑える作用があるので、ドーパミンの受容が抑えられる(=体に作用するドーパミンの量が少なくなる)と、プロラクチンの分泌が抑えられなくなり、血中濃度が上昇することがあります。プロラクチンには乳汁の分泌作用や、黄体ホルモンの分泌促進による妊娠の維持作用があります。これにより、妊娠していないのに乳汁が出てきたり、排卵が抑制される⇒生理が止まったりすることがある訳です。

ちなみに三環系抗うつ薬は、ピルと併用してはいけないことになっています。同じような薬理なのにドグマチールは併用不可ではないのが少し不思議ですが。

何にせよ、服薬治療の際は薬のことをよく知っておくにこしたことはないということで……。