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有機ELディスプレイの特徴
有機ELのディスプレイとしての特徴は実用化が進んでいる液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなどとの対比で語られることが多い。
応答速度
液晶ディスプレイでは液晶の分子の方向を変えることで輝度を変えているため、応答速度が鈍く動画再生などで問題になる。
有機ELは励起子の発光時間が非常に早く、電流を変化させれば輝度が瞬時に変化するので、非常に応答速度が早い。
また、液晶ディスプレイでは応答速度が環境温度に依存し、低温では応答速度がさらに鈍くなる。
しかし有機ELディスプレイでは低温でも応答が変わらない。
視野角
液晶のように見る方向によって階調が変わってしまうことがなく、また、コントラストの低下も低く、視野角は180度に近い。
プリズムシートで集光して表面輝度を向上させている液晶ディスプレイとは異なり、ランバート分布に近い発光分布を持つが、
マイクロキャビティー効果を用いることで集光させる事も可能である。
解像度
現在の有機ELディスプレイは解像度がシャドウマスクの精度およびそのプロセスで制限されている。
現在、シャドウマスク以外の手法、ホワイト+カラーフィルター方式、レーザー熱転写方式(LITI法:3M)、
レーザー再蒸着方式(RIST法:コダック、LIPS法:ソニー。違いはドナーシートの材質。)と言ったシャドウマスクの制限を
伴わない技術が開発されている。
また、画素には液晶の場合1個以上、有機ELの場合2個以上のTFTが必要な為、
高解像度ディスプレイの場合制約となりうるが、トップエミッション方式の開発により、制約は無くなりつつある。
これらの進歩の結果、すでに300ppiの試作品も現れている。 また、三色の発光層を縦に重ねることによって
解像度を高くできる可能性もあるとされている。
発色
有機ELは原理的に共役結合の実効長を分子構造設計によって変化させられる為、任意のエネルギーの励起子、
すなわち任意の波長の光を取り出せる。これにより、色再現域が広いフルカラーディスプレイが可能である。
また、特定の色のみを発光する素子も作れる。有機ELは素子ごとの自発光であるため、
視野角によって色が変わる問題(色シフト)が殆ど存在しない。
駆動電圧・消費電力・発光効率
液晶ディスプレイのようにバックライトをカラーフィルタに通して色を出すのではなく、
色の付いた光を直接出せるためエネルギーの変換効率が高い。また、プラズマディスプレイのような放電発光ではなく
有機半導体内の励起子により発光するので、発光そのものに必要な電圧も数V程度と低い。
また有機ELの発光効率も近年飛躍的に向上している。さらに発光材料として蛍光材料が広く用いられているが原理的に効率の高い
りん光材料の開発が進んでおり、さらなる高効率化が期待できる。
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